こんにちは、複業MRのなすたかです。
就活生っぽい人を見かけると、ふと自分の就活のことを思い出します。
当時は、製薬会社を中心に医療関連企業を受けまくって、何十社からも「お祈りメール」をもらい、心身ともにボロボロの状態でしたが、なんとか内定をもらい現在の会社(某製薬会社)でMRになることができました。
そんな就活中にMRの姿勢・考え方として、すごく参考になることがありました。
それは、
「自社製品より他社製品の方が患者さんに合っていると判断したら他社製品をすすめるか?」
という問いに対する回答です。
この問いに対する答えが、今のMRとしての判断基準・価値観に大きな影響を与えています。
MRは価格交渉をしない
そもそもMRとは、医薬情報担当者という意味で製薬会社の営業職を指しますが、取り扱うものが医薬品という生命関連製品ということや、医薬品の流通形態から営業でありながら価格交渉ができません。※独占禁止法が関係しています。
そういった特殊な営業職だということを知ったのがきっかけて、MRに興味を持ち、製薬会社を中心に就職活動を行っていました。
そして就職活動中に、MRとしての姿勢を知ることになる「ある事件」が起きました。
それはある製薬会社の企業説明会に行ったときのこと、現役のMRの方に質問できる、というコーナーでの、ある質問がきっかけでした。
その質問が…
「自社製品より他社製品の方が患者さんに合っていると判断したら他社製品をすすめますか?」
というもの。
質問の意図として、自社医薬品のの売上と、患者さんの目線に立った情報提供、どちらを取るか?ということを聞きたかったようです。
MRは自社医薬品の適正使用の普及をするために情報提供を行うのが主な業務で、医療の一端を担っているということから、できるだけ患者さんの目線に立った情報提供が必要になります。
そのため当時、就活生だったわたしは「患者さんためになるなら、もちろん他社製品でも進める!」と自信満々に考えていて、現役MRの回答もそんなことを期待していました。
しかし現役MRの答えは…
「ノー」
MRは結局売れればいいのか?
「自社製品より他社製品の方が患者さんに合っていると判断したら他社製品をすすめますか?」
という質問に対して現役MRが「ノー」と答えていて、「医療の一端を担うって言いながらも結局は営業なのか!」
と心の中でつぶやいていました。
結局自分の会社の薬が売れればいいのか…いくら医療関連製品を扱っているといっても、所詮は営業か…と。
ただ、理由を聞いて、「所詮は営業」なんて思いはすぐに消え、自分の未熟さに恥ずかしくなりました。
心の中でつぶやくぐらいにしておいてよかった…
現役MRの答えの真意とは?
就活生に対して、現役MRが「ノー」と答えた後にこう解説していました。
「営業だからといって自分の製品を売りたいわけじゃなく、たとえ他社製品か優れていると思っても、他社製品のすべての情報やデータを知り得ないから、責任が持てない。そんな無責任なことをするよりも、自社製品のことを勉強して、処方提案したほうが患者さんのためにもなる。自社製品で必ず役に立つ患者さんがいるから、そこにフォーカスして紹介するため、あえて他社製品をすすめるなんてことはしない」
との回答。
ぐうの音も出ません。お見事。
さっきまでとは心機一転。
わたしもそういうことがいえるMRになろうと、決意をしました。
営業職でありながら、生命関連製品を扱っているという難しさ、その中でMRができることを、このやり取りで学びました。
MRとして、働いている今でも、この姿勢は大事に持っています。
以上、頑張っている就活生を見て思い出したことでした。