こんにちは、複業MRのたかくんです。
以前書いた記事「MR(製薬会社の営業)と一般的な営業との違いを解説」においてMRは一般的な営業とは異なるということを紹介しました。
MRは営業職でありながら、実際にモノを扱うことはありません。そのため「納品」という作業がありませんし、もっというと「価格交渉」もありません。…というか価格交渉はしてはいけないことになっています。
上記で紹介したようにMRは営業でありながら価格交渉と納品がない職業です。
今回は、その続きのような内容でMRのノルマ(目標)についてです。
他の営業とは異なるとはいっても、MRにもノルマはあります。
MRのノルマとは?
MRは一般的な営業と違うとはいっても、製薬会社に勤めてる以上(基本的に営利を目的とする会社なので)売上目標というノルマがあります。
一番大きなものとして各製品の総売上を目標とする場合がほとんどで、さらに細かいものとして製品ごとの売上目標が設定されていることが多いようです。
多くの製薬会社が上記のようなノルマを設定していますが、2015年あたりから、そういったノルマ(売上目標)を評価基準にしない、というような製薬会社も出てきました。
それが製薬会社全体として広まるかはわかりませんが、今のところほとんどの製薬会社がノルマ(売上目標)をひとつの評価基準にしています。
MRの評価基準のひとつに売上目標(ノルマ)があるのは会社の持続成長のためにも必要なことですが、その弊害があるのも事実。それは後述します。
MRのノルマの決め方とは?
MRのノルマの決め方はもちろん会社によって違いますが、売上の前年の同じ時期を100%として、それを上回るような目標がノルマになります。表現として「前同比(前年の同じ時期の売上に比べて)○%」などという言葉が飛び交っています。
例えば2016年1月であれば、2015年1月の実績がどうだったかによって、計画が決まってくるわけです。
2015年1月の売上が1,000万円だとしたら、2016年1月のノルマ(売上目標)は1,100万円とかですかね。この場合、前同比110%ってことになります。
そしてこの売上目標は月次というより、半年、1年というスパンで考えることが多いです。
長い目で見れば、1年間の目標を達成すればいいんですが、それを細かくしたときに、半年間、さらに細かく1ヶ月間という単位で目標を達成していく必要があります。
そのため、先生の使ってる自社医薬品の処方量を増やしてもらったり(量拡)、自社医薬品を使ってなかった先生に使ってもらったり(面拡)する必要があります。
そういった意味でMRは自社医薬品の普及を目指し、訪問して処方提案をする、というのが一般的な仕事になります。
ノルマによる弊害
製薬会社も売上を伸ばさないと医薬品の研究や開発ができなくなり、存続できなくなるため、売上目標があるのは当たり前のことです。ただ、取り扱っているのが医薬品という生命関連製品ということが難しいところで、そこにノルマ(売上目標)の弊害が出てきてしまいます。
症状が良くなる患者さんがいると考えれば、自社製品の普及は、まっとうな理由でもちろん必要なことですが、ノルマ(売上目標)を追求し過ぎて、偏った情報のみを提供してしまうのは問題になります…MRはそのバランスが大事な職業になります。
また、MRにノルマ(売上目標)がある弊害として、必要ない製品を無理にお願いをして医療機関や薬局に一時的に購入してもらうケースがあります。
とくに、半年間の締め月(9月や6月)や、1年間の締め月(4月や12月)にはそういった「お願い」のために訪問するMRが多くいます。
というか、そういった「お願い」を経験したことのないMRはほとんどいないと思います。
ちなみに無理して購入してもらった製品は次の月には返品されます。
非常に無駄な行動としか思えませんが、会社としても売上目標を達成しなければず、その目標をフォローしないわけにはいかないということもあり、MRは会社と現場の板挟み状態でジレンマになっている部分です。
個人的にはMRは非常に魅力的でやりがいのある仕事だと思いますが、この月末や期末の「お願い」は未だに唯一嫌いな仕事です。
MRの評価について
MRの評価については、ノルマ(売上目標)があるということで、それが達成するか、しないかというのが、ひとつの評価基準です。
会社によっては、それによってボーナスに差をつけるところもあるようです。
ある外資系製薬会社では、年にボーナスが3回あって、そのうち1回は完全に成果で決まる、と聞いたことがあります。うん百万もいれば0円もいるってことらしいです。
まさに成果主義!
ただ、残り2回は基本給の何ヶ月分とかなので、完全な成果主義ってわけじゃなさそうです。
これはあくまでも一例ですが、多くの会社では売上目標といった数字だけの評価ではなく、行動面も合わせた評価基準になっています。
数字を達成していても、行動が伴っていなければ、当然評価は低くなります。逆もまた然り。
数字(売上目標)に比重をかけるか、行動に比重をかけるかは会社によって違います。
実際、数字だけじゃ測れないものって多いもんです。ある程度運もありますからね。
行動はしっかりしてるけど、何らの外部的要因で売上目標が悪いって人もいますし、逆に何にもやってないけど、前の担当者のがんばりのおかげで実績いいって人もいますからね。
その他にも、競合他社の影響だったり、そのエリアの事情で実際が大きく左右されることもあります。
なので、個人的には数字だけでなく、しっかり行動も評価対象にしてるほうがいいと思います。こればっかりは会社が決めることなのでどうしようもありませんが。
MRのノルマのまとめ
以上、MRのノルマについてご紹介しました。内容まとめると下記のようになります。
- MRにもノルマ(売上目標)がある
- 最近では、MRの評価基準にノルマ(売上目標)を組み込まない製薬会社も出てきた
- MRのノルマの弊害として、不必要な製品を無理に購入してもらうように行動をしなければならない、ということがある
- MRの評価基準はノルマ(売上目標)と行動、両方を加味することがほとんど
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